レッスンで子育てについて話すとき、「My parents grew me.」 や 「I grow up my children.」と生徒さんが表現することがよくあります。これは、「grow 」が人として成長するときに使われる言葉だからだと思います。でもこの表現を聞くたびに、私はオーストラリアの有名な写真家のAnne Geddesの、赤ちゃんを植木鉢に入れた作品を思い出してしまいます。
とてもかわいいのですが、「grow」 は、ここで使うには向いていません。代わりにこう言います。
- My parents raised me with strict rules.
この2つの語の基本の使い方は次の通りです。
- “grow”は、植物について話す時に使う。
I grow vegetables in my garden. - “raise”は、動物や人間について話す時に使う。
My grandfather raises chickens in his yard.
My mother raised us with love.
微妙な意味の違い
Merriam-Websterでは「grow」を「成熟するため勢いよく成長したり、発達したりすること」と定義しています。一方Cambridge Dictionary は、「大きさや量を増やしたり、進歩や発達したりすること」と定義しています。
また、同じ辞書で、「raise」の定義は、「(植物を)耕作することや、(動物や人を)成熟させること」(Merriam-Webster) で「完全に育つまで人、動物、植物の世話をすること」(Cambridge Dictionary).とされています。
両方の辞書で「raise」は植物について話す時に使える、と書かれていることに注目してください。はい、できるのです!でも、この2つの使用頻度を見てください。「grow plants」は「raise plants」よりももっと広く使われています。
特に、あなたが植物を大事にしているのなら、「raise」を植物に使うことは、間違っていません。長久手校やみよし校の生徒さんの中には、植物をかわいがっている方がいるのを知っています。そんなときは、もちろん「raise your plants」と言うことができます。ブライアンはハナミズキ通校で、たくさんの植物を大事に育てています。きれいな庭を作るのには、どれだけの労力を使うか想像できます!
少し特別に聞こえるけれど、ネイティブスピーカーには通じます
でも反対に、「raise」を使うべきところを「grow」とすると、相手はちょっと混乱するかもしれません。
大きく違う使い方
「でも “Children grow up.” や “I grew up in Aichi.” と習いました」と思いますよね。
この2つの文は正しいです。例えば私の生い立ちはこうです。
- I grew up in Brazil.
- I was raised in Brazil.
この2文はほとんど同じです。では何が違うのでしょう。違いは2つあります。
1つ目に、これは最も重要な違いですが、「to grow up」は「それ自身が育つ」という意味だということです。 「grow」 が使われても、句動詞であることから少し違った意味が加わり、違った使われ方もします。受動態で使われるときは、「大人になる」や「大人のように成熟する」という意味になってきます。
例をご覧ください。
- Carina moved permanently to Canada after she was grown up. → I 私は、大人になってからカナダに移住しました。
- I had grown up by the time my little cousin was born. → いとこが生まれたとき、私は大人になっていました。
- I couldn’t believe my little sister was so grown up. → I私の妹がこんなに成熟しているなんて、信じられませんでした。
2つ目の違いは、文の「態」です。
- もし、その文が能動態で、あなた自身に焦点が当てられている場合、“grow UP”を使います。
Carina grew up in Brazil. - でも、受動態で、あなたの両親の行ったことに焦点を当てている場合は“raise”を使います。
Carina was grown in Brazil. → i 正しくありません。私はトロピカルフルーツではありませんので。
Carina was raised in Brazil (by multilingual parents). → 正しい文です。
結論
基本のルールに従うなら、他の誰かやあなた自身を「野菜」と遠回しに言ってしまうことは避けられます。
- Grow plants, raise animals
この投稿が、お役に立てたら嬉しいです。
本当はこの間違いは、かわいらしいイメージを思い起こしてくれるので、レッスン中に聞くのが好きです。ぜひ、Anne Geddesの作品を見てみてくださいね。とってもかわいい芸術作品です!
そして、私は生徒さんがレッスン中に使ってみて、ミスをすることを何でもないことだと感じてくださったら嬉しいです。何かを学習するときの、最善の方法は実践することです。言語においては、書いたり話したりすることです。私たちは生徒さんが完璧な文を発するまで、文法を無理強いするより、まず話してみて、ミスすることを勧めています。私達の語学学習者としての経験から、間違いなくこれは学習するときの一番の方法だと言うことができます。